連載コラム

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2023年11月09日

なでしこリーグのSDGs もう一つのゴール 静岡SSUボニータ編

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静岡SSUボニータのホームタウン・磐田市南地区の皆さんによる「みんなでラジオ体操」の開始時刻は毎週土曜日・日曜日の早朝6時30分。主にシニアの皆さんが日課とし、このコミュニティを大切に育ててきました。静岡SSUアスレジーナの選手は、2016年5月1日以来、ずっと交代で参加しています(コロナ禍での中断期間あり)。

静岡SSUボニータはアクティブ・シニア・コミュニティと共に歩んできたクラブです。例えば、食に関わるパートナー企業と一緒に取り組む「イマドキシニア」プロジェクト。在宅系・入居系介護サービスの施設を利用するシニアと交流。選手がレクリエーションと機能訓練プログラムの開発を行ってきました。

いつもは選手がシニアの皆さんの活動拠点に足を運びます。しかし、2023年9月23日のホームゲームは、いつもとは逆に、シニアの皆さんに試合会場となる磐田スポーツ交流の里ゆめりあサッカー場に足を運んでいただき活躍していただくプランでした。シニアの皆さんとの交流をより多くの人に伝え、健康づくりの仲間の輪を広げるためです。

磐田市南交流センター 前センター長の吉添繁雄さんは、ある日、静岡SSUボニータから相談を受けました。

「試合会場でハーフタイムにラジオ体操をやりたいのですができるでしょうか?ピッチに出ていただくのは5人くらい」

吉添さんは「できるよ」と軽く返事し地域の仲間に相談。すると、いつの間にか、ピッチ上でラジオ体操を披露する人数は16人に増えていました。予想以上に希望者が多かったのです。

「いつもの『みんなでラジオ体操』の後に誘ったら、すぐに手を挙げた人がたくさんいました。あまり静岡SSUボニータの試合を見に行かない人も手を挙げていたので、皆で一緒に試合を見ることも併せて楽しそうに感じてもらえたのだと思います。ピッチ上に立つと、はじめは照れ臭かったです。でも、観客席の皆さんも一緒にラジオ体操をやってくれたので気持ち良く、すぐに照れ臭さはなくなりました」

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中津川年弘さんは16人の参加者のうちの一人です。若いときにラジオ体操の指導者講習を受講した経験があり、体育指導員をしていたことがあります。

「大勢の観客の目の前でラジオ体操をすることができ、良い経験になりました。芝生の上はフワフワして良い感触でした。今までで一番足元の良い場所でラジオ体操をしましたね」

静岡産業大学に在学中の疋田祝華選手と駒水那名選手は、当日、運営サポートをしていました。駒水選手は良い意味で予想を裏切られた様子でした。

「最初はうまくいくのか不安でした。その日は(エスコートキッズならぬ)エスコートシニアで選手とシニアの皆さん一緒に入場するところから試合が始まり、いつもと違う新鮮な感じでした。ほとんどの人がラジオ体操を知っているので、音楽が流れると誰もが気軽に身体を動かせます。観客席の皆さんも一緒にラジオ体操をして健康的なムードになりました」

疋田選手も予想を裏切られ、まさかの景色になりました。

「対戦相手チームのサポーターも一緒に身体を動かしたので、スタンドに一体感が生まれ温かな雰囲気になりました。」

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この日の磐田スポーツ交流の里ゆめりあサッカー場の観客席はピッチ上のプレーを見るだけではなく、皆が一緒に身体を動かす場所になりました。中津川さんは、今までにない新しい取り組みが一緒に身体を動かす仲間づくりにつながると感じました。

「磐田市南地区でずっとラジオ体操を続けていきたいと思っています。たまに、このような新しい刺激をもらえると、たくさんの人が楽しんでラジオ体操を続けてくれると思います」

磐田市は市民の健康寿命を伸ばすために、公式サイトで「健康長寿の3要素」を掲げています。「運動」「食生活」「社会参加」の3つを意識して市の施策を進めています。静岡SSUボニータは磐田市で生きる一員として、その3要素に関わってきました。静岡SSUボニータの北本章さんはアクティブ・シニア・コミュニティとの関係が継続している意義を強く感じています。

「我々を街の日常の一部にしていただいているのは、かけがえのないことです。ぜひ、これからも長く続けていければと思っています」

大学生選手が多く所属する若いクラブとアクティブ・シニア・コミュニティが手を取り合って地域の活気づくりに励んでいます。

Text by 石井和裕

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